f rom:shin
木曜から日曜まで新幹線で京都へ行って来ました。木、金は仕事でしたが、まあブレストみたいなものだったのでけっこう楽しくて、とても気持ちよく、気分もよかったです。
土日は庭めぐりをしました。こないだまで読んでいた「2人のチヒョルト」(朗文堂)の中でモダニティの庭として絶賛されていた東福寺の方丈庭園というのがあり、重森三玲という昭和の名造園家の作なんだけど、それを見に行きたかったんです。
庭を見るということ自体が初体験だったので、はじめはそうすることにうまく馴染めなかったのですが、さすがに“魅せる”ところがたくさんあり素直に愉しむことができました。東福寺はみどころがたくさんで禅寺らしくキリッとしていて市松文様をいたるところで使っていましたが、どうも造形的に力というものをすごく直接的に感じてしまい、なんだか新興宗教に触れたような居心地の悪い感じも残りました。このほかにも、三宅八幡からあるいてすぐのところの蓮華寺、比叡山を借景としていることで有名な円通寺、そして庭の代名詞である龍安寺、大徳寺を見てきました。
ひととおり見て、重森三玲のつくったものはどうもあまりにも意味がこめられすぎていて、無理をしている感じがして、どうにも好きになれませんでした。あるいはまだ力をコントロールできていない不快さを感じました。それに較べると龍安寺の石庭はほんとうに素晴らしくて、自らで自らの力を予感させながら、自身を見事に抑えこんでいて、そのスキの無さに唖然としました。ものすごく丁寧に手入れされた、テクスチャのこともあると思うのですが、それにしても言いようがなく、ほんとうに見たかったものを見られた気がしました。
今回の収穫としては苔というものを発見したことです。苔というものは素晴らしいテクスチャです。
力のこととか、保守とか革新とかひどく稚拙な単語でしか例えられないのですが、最近考えていることにいろいろな見方を与えてくれました。
とまあ、恥ずかしながら興奮覚めやらぬ京都の旅でした。
2003/09/29 22:10 |